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自分のための使い方

プロの実力を丸裸にするDigitalRevの企画

2015/01/14

かしこい使い方 自分のための使い方



「弘法筆を選ばず」と申します。ほんとうの名手なら道具には左右されない、というようなことを含意することわざですが、しかし真剣に物事に取り組めば取り組むほど、道具の大事さを身にしみて理解するのもまた確かでしょう。実際、弘法大師は人一倍筆を選ぶことに厳しかったという説もありますし、プロのカメラマンならとうぜんその仕事に見合ったクオリティの機材を揃えています。では、プロからその機材をすべて剥ぎとってしまった場合、そこに残るのは我々と同じアマチュアと大差ない作品でしかないのでしょうか。答えはとうぜんちがいます。ちがわなくてはいけません。そのちがいがものすごくよくわかる企画がありましたのでご紹介しましょう。

香港を拠点にするDigitalRevによる連載、「Pro Photographer Cheap Camera Challenge」がその企画です。DigitalRevはオンライン・ショップであり、作品を発表しあうSNSであるのですが、フォト・マガジンとしても充実したコンテンツを発表していて、さまざまなカメラやレンズなどを撮り比べるレビュー動画や、名作とされる写真を再現してみるという趣向の「Fake a Big Shot」などといった連載を展開しています。そうしたDigitalRevの企画のなかでもひときわ注目を集めているのが、「Pro Photographer Cheap Camera Challenge」です。


写真はDigitalRevの連載ページ。

これはプロのフォトグラファーに、プロ用機材は使用せずにおもちゃのカメラのみで撮影にチャレンジしてもらおう、というもの。アマチュアと同じ、いや、それよりもはるかに低スペックのカメラを使わなくてはいけないので、機材でごまかしたり機材に頼りっぱなしでおろそかにしていた自分の未熟な部分が丸裸になるという、プロとしては世にもオソロシイ企画です。逆にいえば、構図や瞬間の捉え方や光と色彩に対する感覚といった、写真としてのシンプルで根源的な要素のみで勝負することになりますので、その基本の部分の圧倒的な地力(ジジカラ)がアマチュアとしてはおおいに参考になる、ということでもあります。
さて、そんな「Pro Photographer Cheap Camera Challenge」の最新版にオファーされたのは、イギリス出身で現在ニューヨーク在住のファッション・フォトグラファー、ララ・ジェイド(Lara Jade)。彼女は名だたるファッション誌のエディトリアル・フォトを担当する、ファッション界では非常に名の知れたカメラマンです。
DigitalRevは、ニューヨークからはるばる香港にやってきた彼女に、なんと日本の「アンパンマンカメラ」(商品名「アンパンマン はじめてデジカメ2」)を手渡しました! 文字通りおもちゃのカメラを手に、彼女はどんな写真を撮るのでしょうか……。

それでは、映像をご覧ください。

Lara Jade, Cheap Camera Challenge


補足しておきますと、「アンパンマンカメラ」の解像度はたったの0.3メガピクセル。しかも、すぐに電池が切れるので何度も何度もバッテリーを交換する必要があるほか、シャッターを押すと日本語によるおしゃべり機能が起動するため、そのせいでシャッターが切れるまでタイムラグがあるのだとか。



こちらが「アンパンマンカメラ」。



カメラの性能的にそのまま撮影するとどうしてもスタティックになりすぎるため、露店で購入したチープなアクセサリーやガラスのコップをレンズの前に透かしたりして、写真に独特のエフェクト感を出しています。



撮影に用意されたモデルや衣装、メイクアプップ・アーティストなどはもちろんプロなのですが、カメラだけが「アンパンマンカメラ」という画そのものにもインパクト絶大。



撮影がおこなわれたのは香港の路上。特に撮影のための場所は確保されておらず、ほんとうにひとやクルマが行きかうなか、撮影を敢行しています。



日帰りでの撮影のため、時間は6時間のみ。モデルが一人と衣装が3種用意されており、それぞれの衣装に映えるロケーションをその場で判断しながら衣装別にすくなくとも6つの作品を完成させる、という制約つき。ちなみに、モデルのメイクだけで2時間ほどかかっているので、撮影には実質3時間半しか残されていません。


そうして撮影されたのが以下の作品です。









すごい! これがプロのほんとうのチカラというものでしょうか。機材によるギミックがないぶん、純粋なチカラが伝わってきますね。弘法は筆を選ぶが選ばずともやはりスゴかった……。


いかがでしたか? 写真は機材ではなく、写真を撮影するその人次第という、わかってはいるけど忘れがちでもある事実を改めて痛感させられますね。どんなカメラでもいいのです。手にとって、撮影にでかけましょう。もちろん、「おまかせ! フォトブック」ならカンタンにフォトブック化できますので、よい写真ができたらぜひフォトブックにまとめてみませんか?


出典:DigitalRev  http://www.digitalrev.com/
写真:Lara Jade
ララ・ジェイドのウェブサイト:http://larajade.com/
「アンパンマン はじめてデジカメ2」:http://www.agatsuma.co.jp/goods/detail.php?id=604